研麻抄
敗血症性ショックの治療におけるドパミ..

Dopamine versus norepinephrine in the treatment of septic shock: A meta-analysis

Critical Care Medicine 2012年3月号より

今回の研究には以下に挙げるような複数の問題点がある。第一に、対象となった各試験で設定されたエンドポイントが、それぞれ異なっていることである。介入研究の多くでは、主要エンドポイントが血行動態の指標とされていた。こういった研究でも生存/死亡について触れられてはいるが、死亡率を主要エンドポイントとしていた二編の試験と比べると統計学的な意義が乏しいと言わざるを得ない。第二に、転帰が評価された時点も研究によって異なっていた。ただし先行するレビューと比べるとばらつきは小さかった。なるべくうまくまとめ上げて死亡率を評価するため、評価時点を28日後に統一した。対象となった研究のうち最も規模が大きい2編の無作為化試験で、28日後死亡率が主要エンドポイントに設定されていたからである。さらに、大半の観測研究でも28日後死亡率がエンドポイントの一つとして取り上げられていた。そんなわけで、介入研究の全対象患者中92%、観測研究の全対象患者中65%において28日後死亡率が示されていた。周知の通り、治療効果は時間経過と共に変化することがある。しかし、De Backerらの大規模無作為化研究ではそういうことが起こったことを示唆する結果は得られていない。彼らの研究では、ICU退室時(ICU滞在期間の中央値5日)の死亡に関する相対危険度は1.19(信頼区間0.98-1.44)、28日後では1.17(信頼区間0.97-1.42)、6ヶ月後1.06(信頼区間0.86-1.31)、1年後1.15(信頼区間0.91-1.46)であった(1年後まで追跡された患者は1036名)。28日後死亡率を主要エンドポイントとしていた2編の試験のみについてメタ分析を行った場合の点推定値は、介入試験すべてについての分析結果で得られた値と同等であった。第三の問題点は、ドパミンもしくはノルエピネフリンが28日後以降に及ぼす影響について評価することが
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(critical care)12-03-30 07:48


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