作用があり、また、アルコール依存やベンゾジアゼピン長期使用例の離脱症候群にも有効である。ベンゾジアゼピンを投与すると、逆説的興奮が生ずることが稀にあり、高齢患者において起こりやすい。ICU患者ではベンゾジアゼピンを使用すると譫妄の発生頻度が上昇することが分かっている。急性期に高用量のベンゾジアゼピンを持続静注した症例では、投与を中止すると離脱症状が発生する危険性が高い。ロラゼパム製剤に用いられている溶剤のプロピレングリコールは中毒を起こすことがある。プロピレングリコール中毒の症状は多彩で、高浸透圧性代謝性アシドーシス、乳酸アシドーシス、低血圧および不整脈などが出現する。小規模観測研究で、ロラゼパム使用例の約20%においてプロピレングリコール中毒の徴候が見られたと報告されている。持続静注をしていて時間投与量が多い場合や、24時間総投与量が多いときに中毒が起こりやすい。従来、ベンゾジアゼピンは第一選択の鎮静薬として用いられてきたが、プロポフォールやデクスメデトミジンなどの新しい薬剤との無作為化比較対照試験では、ベンゾジアゼピンの方が譫妄や過鎮静が起こりやすく、抜管やICU退室が遅れるなど、明らかに転帰が不良であることが明らかにされている。
教訓 ミダゾラムもロラゼパムも脂溶性薬剤なので脂肪組織に蓄積します。主に肝臓のCYP450系によって代謝されるため肝機能が低下していると、特にミダゾラムは作用時間が著しく延長します。また、ミダゾラムの代謝産物には活性があり、腎機能が正常でない場合にミダゾラムを使用するのはよくありません。ロラゼパム製剤には溶剤としてプロピレングリコールが使用されているため中毒を起こすことがあります。プロピレングリコール中毒の症状は、高浸透圧性代謝性アシドーシス、乳酸アシドーシス、低血圧および不整脈などです。