研麻抄
人工呼吸中の鎮静と鎮痛~プロポフォー..

Sedation and Analgesia in the Mechanically Ventilated Patient

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine 2012年3月1日号より

プロポフォールは鎮静薬としてICUで広く使用されている。作用機序は十分には解明されていないが、GABAなどの神経伝達物質の放出を変化させることによって脳に直接的に影響を及ぼして作用を発揮するという説が有力である。このGABA作働薬は脂溶性で血液脳関門を速やかに通過し、数秒から数分以内に作用を発現する。プロポフォールは分布容積が大きく、数分以内のごく短時間で末梢組織へ再分布する。プロポフォールとベンゾジアゼピンを比較した複数の研究において、プロポフォールの方が意識レベルの回復や人工呼吸離脱に要する時間および費用対効果が優れているため、ベンゾジアゼピンより高い評価が得られている(Table 2)。痙攣重積に対してプロポフォールを抗痙攣薬として用いた症例集積研究が報告されている。また、脳虚血の場合に神経保護機能があることを示した研究もある。プロポフォールは血管トーンを低下させ心拍出量を減少させるため、低血圧を引き起こすことが多い。ただし血管内容量が不足していない場合には血圧が下がっても、たいした問題にはならないのが普通である。プロポフォール製剤は脂肪乳剤であるため、持続投与する場合は3-7日ごとにトリグリセリド値を測定する。また熱量は1.1kcal/mLであり、栄養計画を立てる際にはこの分を勘案しなければならない。プロポフォール持続静注症候群(propofol infusion syndrome)は、代謝性アシドーシス、横紋筋融解症および高カリウム血症を起こし、徐脈や心不全から心停止に至ることもあるプロポフォールに関連する副作用である。最初に報告されたのは小児症例であったため、小児集中治療領域においてプロポフォールに対する懸念が広まった。プロポフォール持続静注症候群は高用量を長時間投与した場合に起こることが多い。大半のデータは症例報告や遡及的研究から得られているため、推奨投与量については諸説紛々としているが、4-5mg/
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(critical care)12-06-19 07:00


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