Dopamine versus norepinephrine in the treatment of septic shock: A meta-analysis
Critical Care Medicine 2012年3月号より
結果
検索の結果498編の研究が見つかり、そのうち487編は除外され11編が分析対象として残った。このうち5編は観測研究で、6編は介入研究であった。
観測研究
ドパミンまたはノルエピネフリンを他の昇圧薬と比較検討した観測研究が、検索の結果5編同定された。対象となった敗血症患者は計1360名であった(Table 1)。このうち一編はノルエピネフリンと、その他の複数の昇圧薬(ドパミンを含む)を比較した研究であった。残り四編ではドパミン使用群とドパミン非使用群が比較された。一編は、ドパミン群とノルエピネフリン群とがマッチングされていた。
有意な異質性が研究間で認められた(p<0.001; I^2=79.3; 信頼区間50.9%-91.3%)。ノルエピネフリン群に対するドパミン群の死亡に関する集積相対危険度を算出したところ、有意差は認められなかった(RR 1.09; 信頼区間0.84-1.41; p=0.72)(Fig. 2)。漏斗プロット(funnel plot)解析(Supplemental Fig. 1)またはEgger検定(p=0.78)を行ったが、出版バイアスはないと考えられた。Povoaらが行った感度解析では、異質性の原因は一編の試験が原因であるという結果が得られている。この試験を除外したところ、確かに異質性は認められなくなり(p=0.22; I^2=32.3; 信頼区間0.0%-75.9%)、ノルエピネフリン群と比べドパミン群の方が死亡リスクが大きかった(RR 1.23; 信頼区間1.05-1.43; p<0.01)(Supplemental Fig. 2)。この一編を除外してEgger検定を行ったが、やはり出版バイアスは認められなかった(p=0.35)。いろいろな共変数についての情報が示されていた論文が少なかったため、メタ回帰分析を実施することはできなかった。
介入研究
介入研究は6編見つかり(Table2)、対象となった敗血症患者