の合計は1408名であった。そのうち732名がドパミン群、676名がノルエピネフリン群に割り当てられた。最も規模の大きかった2編で、28日後死亡率が主要エンドポイントに設定されていた。血行動態の指標をエンドポイントとしていた残りの4編よりも、この2編の方がドパミンまたはノルエピネフリン投与期間が長かった。また、血行動態を評価した4編では、標本数があまり多くなかった。研究間に有意な異質性は認められなかった(p=0.77; I^2=0; 信頼区間0.0%-25%)。エピネフリンに対するドパミンの死亡に関する集積相対危険度は有意に高かった(RR 1.12; 信頼区間1.01-1.20; p=0.035)(Fig. 3)。ファネルプロット解析(Supplemental Fig. 2)とEgger検知(RR, 0.43)のいずれにおいても出版バイアスは認められなかった。ドパミンまたはノルエピネフリンの投与期間が最も長かった3編のみに限って解析を行っても同様の結果が得られた(RR, 1.11; 信頼区間0.99-1.23; p=0.06)。エンドポイントが28日後死亡率とされた2編についてのみの解析でも結果は同じであった(RR, 1.10; 信頼区間0.99-1.22; p=0.09)。
有害事象およびその他の転帰項目
介入研究のうち2編では不整脈発生率が検討されたが、観測研究のうち不整脈を扱ったものは皆無であった。不整脈発生率を検討した2編はいずれもドパミン群の方が不整脈発生率が有意に高いことを報告している。そのため、ノルエピネフリンに対するドパミンの不整脈発生に関する集積相対危険度は有意に大きいという結果が得られた(Supplemental Fig. 4)。
ICU滞在期間および入院期間は、介入研究二編でのみ報告されていた。ドパミン群とノルエピネフリン群のあいだに、ICU滞在期間(RR, -0.3; 信頼区間, -1.5-1.0; p=0.67)、入院期間(RR, 0.0; 信頼区間, -2.8-2.6; p=0.95)のいずれについても有意差は見られなかった。
その他の有害事象や転帰についてのデータが記されていたのはDe Backerらの研究のみであったため、解析することはできなかった。
教訓 観測研究、介入研究ともにドパミンの方がノルアドレナリンよりも死亡リスクが高いことが分かりました。