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アナフィラキシーと麻酔~危険因子 [anesthesiology]

Anaphylaxis and Anesthesia: Controversies and New Insights

Anesthesiology 2009年11月号より

周術期アナフィラキシーの危険因子

周術期にアナフィラキシーを発症した患者は全員、次に麻酔を受けるまでにアレルギー学的評価を受けるのが理想ではある。だが、現実はそれとはほど遠い。多くの国では、アレルギー学的評価はルーチーンには行われていない。したがって、麻酔を行う手術や検査に先立ち、アナフィラキシーの危険性の有無を確認し、疑わしい原因薬剤または物質を避けなければならない。全身麻酔中に重篤な即時型反応が出現した既往があるが、その後精査が行われていない患者では、以降の全身麻酔でもまた同様の反応が発生するリスクが高い。この場合、可能であれば区域麻酔が選択されることが多い。さらに、ラテックスに曝露された際にアレルギー反応が出現したことのある患者、何度も手術を受けたり、尿道カテーテルを繰り返し留置されたりしている患者(ラテックスに感作されている可能性が高い)、トロピカルフルーツ(アボカド、バナナ、キウイ、パイナップル、パパイヤなど;これらの果物はラテックスとの交叉反応性が高く、ラテックス-フルーツ症候群と呼ばれる)によるアレルギー反応が臨床的に認められる患者には、非ラテックス製品を使用するべきである。アトピー性疾患(ラテックスによるものを除く)の患者や、周術期に使用する可能性の低い薬剤によるアレルギー(予防投与される抗菌薬に対するアレルギーを除く)のある患者は、周術期アナフィラキシーの危険性はないと考えてよい。

教訓 アナフィラキシーが発生したら、必ず精査をするのが理想ですが、たいていの国では行われていません。
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