2007年 集中治療領域の進歩 ~内分泌と腎の巻~ [critical care]
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine 2008年4月15日号より
Update in Critical Care 2007
市中肺炎患者ではコルチゾール値から重症度および転帰を知ることができ、通常の検査項目であるCRPや白血球数よりも良い指標であると報告されている。
ICU入室患者の背景因子の違いによるインスリン強化療法の危険性と効果の差異について数多くの研究が熱心に行われているが、相反する結果が発表されている。
単一施設からの報告で、インスリン強化療法を実施しても血糖値を厳重に管理することができないことは珍しくなく、またそのことがICU死亡率の独立した危険因子であることが分かった。
インスリン強化療法のRCT対象患者のうち、ICUに7日以上滞在した内科系患者では、インスリン強化療法の実施によってcritical illness polyneuropathy/myopathyの発生頻度が低下し、人工呼吸器使用が遷延する症例が減少した。
心臓外科手術の術中からインスリン強化療法を行ったところ周術期死亡や合併症発生率は低下せず、追跡期間における死亡率および脳血管障害発生数が増えたという結果が得られた。
脈圧が高いことが心臓手術後の急性腎不全の危険因子であるという報告があった。
悪性腫瘍の有無によるICUにおける血液浄化療法の転帰の違いを、臓器障害や腎機能低下の時期についての調整を行って比較したところ、有意差は認められなかった。
臨床的に問題となる程度の低血圧に陥った患者にNアセチルシステインを投与しても急性腎不全の発生率は低下しないことがRCTの結果から明らかになった。
CHFとextended daily HDFを比較した小規模RCTで小分子物質の除去効率に有意差は認められなかった。
多施設コホート研究で持続血液浄化療法と間欠的血液浄化療法を比較したところ、持続法の方が昇圧薬使用量および人工呼吸器使用頻度が上回り、院内生存率も低かった(35.8% vs 51.9%; p<0.0001)。
教訓 インスリン強化療法はいろいろな結果が報告されていて百花繚乱です。持続的血液浄化法にはstrikingなpositive evidenceがほしいところです。
Update in Critical Care 2007
市中肺炎患者ではコルチゾール値から重症度および転帰を知ることができ、通常の検査項目であるCRPや白血球数よりも良い指標であると報告されている。
ICU入室患者の背景因子の違いによるインスリン強化療法の危険性と効果の差異について数多くの研究が熱心に行われているが、相反する結果が発表されている。
単一施設からの報告で、インスリン強化療法を実施しても血糖値を厳重に管理することができないことは珍しくなく、またそのことがICU死亡率の独立した危険因子であることが分かった。
インスリン強化療法のRCT対象患者のうち、ICUに7日以上滞在した内科系患者では、インスリン強化療法の実施によってcritical illness polyneuropathy/myopathyの発生頻度が低下し、人工呼吸器使用が遷延する症例が減少した。
心臓外科手術の術中からインスリン強化療法を行ったところ周術期死亡や合併症発生率は低下せず、追跡期間における死亡率および脳血管障害発生数が増えたという結果が得られた。
脈圧が高いことが心臓手術後の急性腎不全の危険因子であるという報告があった。
悪性腫瘍の有無によるICUにおける血液浄化療法の転帰の違いを、臓器障害や腎機能低下の時期についての調整を行って比較したところ、有意差は認められなかった。
臨床的に問題となる程度の低血圧に陥った患者にNアセチルシステインを投与しても急性腎不全の発生率は低下しないことがRCTの結果から明らかになった。
CHFとextended daily HDFを比較した小規模RCTで小分子物質の除去効率に有意差は認められなかった。
多施設コホート研究で持続血液浄化療法と間欠的血液浄化療法を比較したところ、持続法の方が昇圧薬使用量および人工呼吸器使用頻度が上回り、院内生存率も低かった(35.8% vs 51.9%; p<0.0001)。
教訓 インスリン強化療法はいろいろな結果が報告されていて百花繚乱です。持続的血液浄化法にはstrikingなpositive evidenceがほしいところです。
2008-09-18 04:50
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