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術後疼痛管理ガイドライン① [anesthesiology]

Practice Guidelines for Acute Pain Management in the Perioperative Setting: An Updated Report by the American Society of Anesthesiologists Task Force on Acute Pain Management

Anesthesiology 2012年2月号より

Ⅰ. 術後疼痛管理に関する方針と手順

・周術期の疼痛管理に関わる麻酔科医は他の職種と適切に協力し、病院職員に対する継続的な教育と訓練に取り組み、自施設内で実施可能な疼痛治療の手段を有効かつ安全に活用できるよう知識と技量を身につけさせるように努めなければならない。
 ○教育内容はベッドサイドで行う疼痛評価をはじめとする基本事項から、高度な疼痛管理法(例, 硬膜外鎮痛法、PCA、各種区域麻酔法)や薬を使わない鎮痛法(例, リラックス法、イメージ法、催眠法)などを網羅する。
 ○最適な疼痛管理を実現するには、新規入職者を自施設の技能水準に適合させたり、全職員の技能水準を維持したり、疼痛管理の手順に何らかの変更を加えた場合にそれを周知するには、教育と訓練の継続的な実施が必須である。
・麻酔科医とその他の医療従事者は統一化された実効的な方法に従い、疼痛強度、疼痛管理法の効果の程度および副作用を定期的に評価し記録するという手順を徹底する。
・麻酔科医には、病棟看護師、外科医またはその他関係する医師からの周術期疼痛管理に関する問い合わせにいついかなるときも応ずる責務がある。
 ○周術期鎮痛法によって何らかの問題が生じた場合には、病棟看護師、外科医またはその他関係する医師は患者評価について麻酔科医に協力する。
・周術期疼痛管理に従事する麻酔科医は、急性痛管理の手法にならって周術期疼痛の治療に当たる。
 ○こうした疼痛管理に関わる麻酔科医は、各施設における統一した方針や手順の策定に関わるべきである。

Ⅱ. 術前評価

・術前評価の段階で、疼痛管理について想定し疼痛に関する既往歴を聴取し理学的所見をとり、疼痛管理の計画を立てる。

Ⅲ. 術前準備

・周術期疼痛管理の術前準備としては、常用薬の適切な調節または継続による禁断症候群の防止、以前からある疼痛の治療、術後疼痛管理に備えた治療の術前からの開始などが挙げられる。
・周術期疼痛管理に従事する麻酔科医は他職種と適切に協働し、患者及びその家族の教育に取り組み、快適な疼痛管理の実現、疼痛の程度や様態の報告、および推奨される鎮痛法の適正実施に関して、患者とその家族には重要な役目があることを伝えなければならない。
 ○有害作用や薬物依存についてのリスクを過大視しがちな巷間に流布する誤解を払拭する。
 ○PCAやPCEAなどの高度な鎮痛手段を患者が使いこなせるように教育するには、術前評価時に鎮痛法について説明したり、鎮痛に関する選択肢について解説したパンフレットやビデオを提供したり、術後回診時にベッドサイドで話したりするとよい。
 ○鎮痛法について患者を教育する際には、疼痛や不安感を自分で軽減するための行動療法についての指導を行ってもよい。

教訓 術後疼痛管理を適切に行うには、職員、患者およびその家族に対する教育が重要です。
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