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CRPが高いほどARDSの転帰は良い~結果② [critical care]

Plasma C-Reactive Protein Levels Are Associated With Improved Outcome in ARDS

CHEST 2009年8月号より

コルチコステロイド投与とCRP値

術後患者などを対象とした多くの研究で、コルチコステロイドを投与するとCRP値に影響が及ぶことが示されている。このことを踏まえ、コルチコステロイド投与が交絡因子として作用しているかどうかを評価した。コルチコステロイド投与群では、CRP値が有意に低く(中央値, ステロイド投与群96.0 mg/L [IQR, 103.0] vs ステロイド非投与群180.0 mg/L [IQR, 169.0], p =0.006)、死亡率は有意に高い(60% vs 38%,; p =0.003)という結果が得られた。しかし、重症度と敗血症性ショックの有無によって調整すると、有意差は消失した(調整ハザード比, 1.84; 95% CI, 0.95 to 3.56; p =0.07)。さらに、主要解析の対象からステロイドを投与された患者(n=30)を除外しても、CRP値と生存率のあいだの正の相関は有意であった (調整HR, 0.58; 95% CI, 0.41 to0.82; p =0.002)。

急性肝不全とCRP値

本研究の対象患者のうち、急性肝不全患者はわずか4名であったが、他の患者に比べCRP値が有意に低く (中央値, 45.5 mg/L[IQR, 54.0] vs 中央値: 158.5 mg/L [IQR, 165.0],p =0.02) 、死亡率は有意に高かった(それぞれ100% vs 40%,; p=0.01)。急性肝不全の有無について調整を行った後もなお、CRP値とARDS死亡率とのあいだには有意な相関が認められた(Table3)。また、急性肝不全患者を除外しても、CRP値が高いほど生存率が良好であるという相関は有意であった (調整ハザード比, 0.70; 95% CI, 0.53 -0.93; p= 0.01)。

2次転帰

CRP値が高値の患者は低値の患者に比べ全期間を通じて臓器障害が少なかった(Fig4)。混合効果モデルを用いた解析で、この差は有意であることが示された (p=0.001)。一般化線形モデルを用いた解析では、CRP値が高いほど人工呼吸器非装着日数が延長する有意な相関が認められた(p=0.02)。

教訓 CRP値が高値の患者は低値の患者に比べ全期間を通じて臓器障害が少なく、CRP値が高いほど人工呼吸器非装着日数が延長することが分かりました。
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