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重症患者の凝固能低下~凝固因子の異常⑦ [critical care]

Coagulopathy in Critically III Patients Part 2–Soluble Clotting Factors and Hemostatic Testing

CHEST 2010年1月号より

抗凝固療法のモニタリング

ワーファリンのモニタリング
ワーファリンを投与すると24時間以内に第Ⅶ因子が減少しPTは延長するのだが、他のすべてのビタミンK依存性凝固因子も減少するまでは血栓形成のリスクは低下しない(半減期は第Ⅸ因子24時間、第Ⅹ因子48時間、第Ⅱ因子60時間)。そのため、ワーファリン投与開始後も、ヘパリンもしくは第Ⅹa因子阻害薬を少なくとも2、3日は投与しなければならない。PTは世界標準比としてあらわされるので、異なる検査機関で実施しても互いの値を同じ土俵の上で比較することができる。出血の危険性の大きさとPTの延長の度合いはよく相関するが、正比例の関係ではない。例えば、INRが3を超えるまでは出血のリスクは比較的低いが、INRが10を超えると出血の危険性は指数関数的に大きくなる。出血のリスクにはその他の数多くの要素も関与する。血小板の数や機能の低下、高齢、アルコール乱用、心不全および高血圧などはすべて、PT延長時に出血の危険性を有意に増大させることが明らかにされている。

教訓 PT-INR<3のときは出血のリスクは比較的低く、>10になると指数関数的に出血リスクが大きくなります。
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