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一回換気量<6mL/kg+ECMOで肺保護~方法② [critical care]

Tidal Volume Lower than 6 ml/kg Enhances Lung Protection: Role of Extracorporeal Carbon Dioxide Removal

Anesthesiology 2009年10月号より

測定
ARDSの原因疾患、臨床状態、入室時の検査結果(入室24時間後までの最悪の値)を記録し、SAPSⅡの点数を算出した。

臨床項目
臨床項目(PPLAT、呼吸数、PEEP、分時換気量、P/F比、PaCO2、pH、心拍出量[Vigileoを用いた持続測定; Edwards LifeScience, Irvine, CA]、ヘパリン使用量、APTT)は、以下に示す時点で前向きに収集した:ARDSNetの方法に従った治療を72時間実施した時点、28≦PPLAT≦30cmH2Oの患者では一回換気量を下げた後かつ体外二酸化炭素除去開始前(基準値)、開始60-90分後(T1.5)、24時間後(T24)、48時間後(T48)および72時間後(T72)。T1.5、T24、T48およびT72の各時点で体外二酸化炭素除去中の血流量を記録した。

起こりうる合併症を前もって機械的なもの(カテーテルの異常、膜型肺の異常、回路内凝血、回路内空気混入、ポンプの異常、チューブ破損、カテーテル位置異常および回路の漏れ)と患者側に生ずるもの(静脈穿破、赤血球製剤の投与を要する出血、不安定な血行動態[基準時点と比べ収縮期血圧が80-90mmHg以上上昇または30-40mmHg以上低下、もしくは収縮期血圧>85mmHgを維持するのに強心薬を少なくとも2時間使用、もしくは心電図で虚血の所見、もしくは治療を要する心室性不整脈]、腸管虚血/壊疽、気胸、腎合併症[体外循環開始後にCr>1.5mg/dL]、感染性合併症[体外循環開始後に新たに発生した感染で培養陽性が確認されたもの]、代謝性合併症[体外循環開始後に発生した高血糖>240mg/dLまたは高ビリルビン血症]、血栓塞栓性合併症[体外循環開始後に発生した深部静脈血栓症または肺塞栓]および神経系合併症[体外循環開始後に発生した脳梗塞、てんかん、脳出血または脳浮腫])に分類し、記録した。

肺の形態評価
研究登録後にすべての患者においてCTで全肺を撮影した。28≦PPLAT≦30cmH2Oの患者では体外二酸化炭素除去開始の約72時間後、25< PPLAT <28cmH2Oの患者ではARDSNetの方法に従った人工呼吸管理をおよそ72時間実施した後に、再度CTによる全肺撮影を行った(fig. 1)(詳しい方法はSupplemental Digital Contentに掲載した。

全肺、無含気部分、低含気部分、正常含気部分および過膨張部分の重量および容量を評価した。周期的膨張が起こっている部位の肺容量は、吸気終末の正常含気容量から呼気終末の正常含気容量を引いて求めた。同様に、周期的過膨張が起こっている部位の肺容量は、吸気終末の過膨張容量から呼気終末の過膨張容量を引いて求めた。無含気部位のうち周期的に含気が戻る部位の肺容量は、呼気終末の無含気肺容量から吸気終末の無含気肺容量をひいて求めた。以上で得られた値は、CTで割り出した周期的な膨張を示す肺容量全体に占める割合として表した。

肺の炎症性変化
登録後、全患者においてBALを実施した。28≦PPLAT≦30cmH2Oの患者では体外二酸化炭素除去開始の約72時間後、25< PPLAT <28cmH2Oの患者ではARDSNetの方法に従った人工呼吸管理をおよそ72時間実施した後に、再度BALを行った(fig. 1)。測定項目は、IL-6、IL-8、IL-1bおよびIL-1受容体アンタゴニストである。
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