研麻抄
敗血症:治療の進歩と免疫異常のポイン..

Advances in the Management of Sepsis and the Understanding of Key Immunologic Defects

Anesthesiology 2011年12月号より

敗血症における副腎皮質ステロイドの有効性

少量の副腎皮質ステロイドを敗血症患者に投与すると多様な全身作用が得られ、敗血症の病態生理を緩和することができる可能性がある。その一つが血管トーンの改善である。この作用は、副腎皮質ステロイドが平滑筋のカテコラミンに対する感受性を向上させ、一酸化窒素の産生量を減少させる働きによって得られる。実際に、敗血症性ショックに対する副腎皮質ステロイドの有用性を検討した二編の大規模RCTでは、副腎皮質ステロイド使用群では非使用群に比べ昇圧薬投与中止までの期間の中央値が最長2日短縮するという結果が得られている。とは言え、副腎皮質ステロイドの少量投与によって敗血症性ショック患者の生存率が改善するのか?という問題に対する答えはまだはっきりしていない。生憎、先に紹介した二編のRCTには多くの違いがあり、示されている結果の中には相反するものある。二つのうち先に行われたAnnaneらの研究では、もう一編よりも対象患者が重症で、敗血症性ショック発症から8時間以内に患者登録が行われた。ハイドロコルチゾンとフルドロコルチゾンの二剤が併用され(またはプラセボが投与され)、投与期間は7日間であった。そして、ACTH負荷試験に反応しなかった症例では、副腎皮質ステロイド使用群の方が生存率が高いという結果が示された。この研究に遅れて行われたCorticosteroid Therapy of Septic Shock(CORTICUS)試験では、敗血症発症から72時間以内に患者が登録され、敗血症の原因としては腹腔内感染が最も多かった。対象患者はハイドロコルチゾン群(漸減しながら11日間投与)もしくはプラセボ群に無作為に割り当てられた。この研究は当初目標の800名の標本数に達する前に中止され、最終的に対象となった499名についての解析では28日後死亡率の差は認められず、ACTH負荷試験に反応し
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(critical care)12-02-10 07:11


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