術後疼痛管理ガイドライン② [anesthesiology]
Practice Guidelines for Acute Pain Management in the Perioperative Setting: An Updated Report by the American Society of Anesthesiologists Task Force on Acute Pain Management
Anesthesiology 2012年2月号より
Ⅳ. 周術期における疼痛管理法
・周術期の疼痛管理に従事する麻酔科医は、硬膜外腔またはクモ膜下腔オピオイド投与、オピオイド静脈内投与によるPCA、区域麻酔法といった治療手段の中から、各症例について危険性と便益を十分検討した上でいずれかを選択する。
○「必要に応じ」オピオイド筋注というような疼痛時指示ではなく上に挙げたような鎮痛法が望ましい。
・麻酔科医は自らの技能習熟度を踏まえ、個別の状況において安全に実施することができる鎮痛法を選択する。
○安全に実施できるということは、選択した鎮痛法の開始後に発生した有害事象を見つけて対応することができるという意味である。
・持続投与法を選択した場合は、薬剤が蓄積することにより有害事象が発生するおそれがあるため特に注意を払わなければならない。
Ⅴ. 疼痛管理における多角的手法
・麻酔科医は可能な限り多角的(multimodal)な疼痛管理を実施すべきである。
○禁忌でなければNSAIDs、COX1阻害薬またはアセトアミノフェンを定時投与する。
○局所麻酔薬による区域麻酔を考慮する。
・有害事象の発生リスクを極力抑えつつ、最大限の効果が得られる量を投与する。
・使用する薬剤、投与量、投与経路および投与期間は、症例ごとに決める。
Ⅵ. 患者群ごとの注意
・小児患者
○子供の痛みに対しては昔からおざなりな対処しか行われてきていない。この慣習を克服するため、強力かつ積極的な疼痛管理を行わなければならない。
○痛みを伴う手技や手術を受ける子供の周術期管理の一貫として、発達程度に応じた適切な疼痛の評価と治療を実施する。
○鎮痛法は、年齢、体重、基礎疾患に応じて決定し、禁忌でなければ多角的鎮痛法を行う。
○疼痛が情動に及ぼす影響を踏まえ、可能であれば行動療法を導入する。
○多くの鎮痛薬は鎮静薬と併用すると相乗効果を発揮するため、術中および回復期には適切な監視が必須である。
・高齢患者
○周術期管理の一環として疼痛の評価及び治療を行う。
○患者の認知能力に適した疼痛評価法を用いる。除痛が達成できていないことを患者自身が伝えることができないことがあるため、積極的に詳細な評価と問いかけを行う。
○高齢者は疼痛や鎮痛薬に対して若年患者とは異なる反応を示す場合があり、多くは基礎疾患に起因することを認識していなければならない。
○高齢患者は往々にして普段から何らかの薬剤(サプリメントや健康食品などを含む)を服用していることもあり、疼痛管理による傾眠などの副作用が重大な事態に発展することがある。有害事象を避けつつ適切な疼痛管理を行うには投与量を慎重に調節する必要がある。
・その他の患者群
○重症患者および認知能力や意思疎通に問題のある患者に対しては、最適な周術期疼痛管理を確実なものとするため、特別な対処が必要となることがあることを認識しておかなくてはならない。
○血圧や心拍数が上昇したり興奮が見られたりする場合は、疼痛以外の原因が除外されているならば鎮痛薬を診断的に投与することを考慮すべきである。
教訓 安全に疼痛管理を行うには、選択した疼痛管理に起因する有害事象を遅滞なく発見し、迅速かつ適切に対処することができなければなりません。
Anesthesiology 2012年2月号より
Ⅳ. 周術期における疼痛管理法
・周術期の疼痛管理に従事する麻酔科医は、硬膜外腔またはクモ膜下腔オピオイド投与、オピオイド静脈内投与によるPCA、区域麻酔法といった治療手段の中から、各症例について危険性と便益を十分検討した上でいずれかを選択する。
○「必要に応じ」オピオイド筋注というような疼痛時指示ではなく上に挙げたような鎮痛法が望ましい。
・麻酔科医は自らの技能習熟度を踏まえ、個別の状況において安全に実施することができる鎮痛法を選択する。
○安全に実施できるということは、選択した鎮痛法の開始後に発生した有害事象を見つけて対応することができるという意味である。
・持続投与法を選択した場合は、薬剤が蓄積することにより有害事象が発生するおそれがあるため特に注意を払わなければならない。
Ⅴ. 疼痛管理における多角的手法
・麻酔科医は可能な限り多角的(multimodal)な疼痛管理を実施すべきである。
○禁忌でなければNSAIDs、COX1阻害薬またはアセトアミノフェンを定時投与する。
○局所麻酔薬による区域麻酔を考慮する。
・有害事象の発生リスクを極力抑えつつ、最大限の効果が得られる量を投与する。
・使用する薬剤、投与量、投与経路および投与期間は、症例ごとに決める。
Ⅵ. 患者群ごとの注意
・小児患者
○子供の痛みに対しては昔からおざなりな対処しか行われてきていない。この慣習を克服するため、強力かつ積極的な疼痛管理を行わなければならない。
○痛みを伴う手技や手術を受ける子供の周術期管理の一貫として、発達程度に応じた適切な疼痛の評価と治療を実施する。
○鎮痛法は、年齢、体重、基礎疾患に応じて決定し、禁忌でなければ多角的鎮痛法を行う。
○疼痛が情動に及ぼす影響を踏まえ、可能であれば行動療法を導入する。
○多くの鎮痛薬は鎮静薬と併用すると相乗効果を発揮するため、術中および回復期には適切な監視が必須である。
・高齢患者
○周術期管理の一環として疼痛の評価及び治療を行う。
○患者の認知能力に適した疼痛評価法を用いる。除痛が達成できていないことを患者自身が伝えることができないことがあるため、積極的に詳細な評価と問いかけを行う。
○高齢者は疼痛や鎮痛薬に対して若年患者とは異なる反応を示す場合があり、多くは基礎疾患に起因することを認識していなければならない。
○高齢患者は往々にして普段から何らかの薬剤(サプリメントや健康食品などを含む)を服用していることもあり、疼痛管理による傾眠などの副作用が重大な事態に発展することがある。有害事象を避けつつ適切な疼痛管理を行うには投与量を慎重に調節する必要がある。
・その他の患者群
○重症患者および認知能力や意思疎通に問題のある患者に対しては、最適な周術期疼痛管理を確実なものとするため、特別な対処が必要となることがあることを認識しておかなくてはならない。
○血圧や心拍数が上昇したり興奮が見られたりする場合は、疼痛以外の原因が除外されているならば鎮痛薬を診断的に投与することを考慮すべきである。
教訓 安全に疼痛管理を行うには、選択した疼痛管理に起因する有害事象を遅滞なく発見し、迅速かつ適切に対処することができなければなりません。
2012-03-23 07:48
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