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心外・脳外以外の手術における周術期脳血管障害~はじめに [anesthesiology]

Perioperative Stroke in Noncardiac, Nonneurosurgical Surgery

Anesthesiology 2011年10月号より

脳血管障害は重症合併症の発生や死亡率上昇の重大な要因である。65歳以上の患者では脳血管障害の発生にとりわけ注意しなければならない。心臓、脳および頸動脈の手術における脳血管障害発生率は高いことが知られている(2.2-5.2%)。しかし、それ以外、つまり一般外科、泌尿器、整形、呼吸器および婦人科などの手術における周術期脳血管障害についての知見は極めて少ない。本稿は、心臓・脳・頸動脈以外の手術における周術期脳血管障害の発生頻度、病態生理、危険因子および転帰についての総説である。脳血管障害発生後の予定手術実施時期や、周術期脳血管障害発生率低下および転帰向上につながる方法についても紹介する。

定義

WHOの定義によると、脳血管障害とは「局所または全般性神経脱落症状が24時間以上継続するか、症状が出現してから24時間以内に死亡する」場合であるとされている。一過性脳虚血発作は、脳局所または眼の機能が急性に失われ症状が24時間以内におさまるものであり、塞栓または血栓が原因であると考えられる場合が多い。さらに、内科領域では以上二つに加えもう一つの型の脳血管障害、covert stroke(潜伏性脳血管障害)が最近注目を集めている。これは、拡散強調MRIなどの高度な神経学的画像診断を行わなければ検出できない無症候性の虚血性変化のことである。潜伏性脳血管障害は発症時に診断されることはほとんどないが、認知機能やQOLの悪化につながることが明らかにされている。心臓や頸動脈の手術症例を除いては、手術患者における潜伏性脳血管障害の発生頻度、影響および危険因子を評価した研究は現在までのところ行われていない。そこでこの総説では、周術期潜伏性脳血管障害(通常、術中もしくは術後30日以内に発症したものを指す)に特に力を入れて述べる。

教訓 心臓、脳および頸動脈の手術における脳血管障害発生率は2.2-5.2%であると報告されていますが、それ以外の手術の周術期脳血管障害発生率はあまりよく分かっていません。
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