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ペースメーカ/ICD患者の周術期管理~術中管理② [anesthesiology]

Practice Advisory for the Perioperative Management of Patients with Cardiac Implantable Electronic Devices: Pacemakers and Implantable Cardioverter-Defibrillators: An Updated Report by the American Society of Anesthesiologists Task Force on Perioperative Management of Patients with Cardiac Implantable Electronic Devices

Anesthesiology 2011年2月号より

ラジオ波焼灼

ラジオ波焼灼による電磁妨害を防ぐには、ラジオ波電流(電極先端から対極板への経路)がジェネレータやリードからできる限り離れた場所を通るようにするのが最も重要である。一編の観測研究で、CIED患者に対するラジオ波焼灼12例のうち3例で、ペースメーカリード近傍でラジオ波を発生させたところリード抵抗が大幅に低下したと報告されている。症例報告では、クラスタ電極をペースメーカリードから5cm以上離してラジオ波焼灼を行ったところ特に問題なく手術を終了できたとされている。

ラジオ波焼灼による電磁妨害防止についての勧告

ラジオ波焼灼による電磁干渉を防止するには、焼灼用カテーテルがペースメーカのジェネレータやリードと直接接触しないように注意し、ラジオ波電流(電極先端から対極板への経路)をジェネレータやリードからできる限り離れた場所を通るようにする。ラジオ波焼灼症例については全例で、焼灼用カテーテルがCIEDのリードに近づかないように術中に術者と意思疎通を図る。

体外衝撃波砕石術(ESWL)

体外衝撃波砕石術の際に起こりうる電磁妨害を防止するには、(1) 体外衝撃波の焦点をジェネレータ近傍にあわせないようにする。(2) 体外衝撃波発生装置がR波をトリガーして衝撃波を発生するような機構であれば、心房ペーシングを中止する。

体外衝撃波の焦点をジェネレータから離したり、体外衝撃波砕石術中に心房ペーシングを停止したりすることが電磁妨害の防止に役立つかどうかを検討した文献はない。

体外衝撃波砕石術に伴う電磁妨害防止についての勧告

体外衝撃波砕石術中には、衝撃波がペースメーカのジェネレータの近傍に発射されないようにすべきである。R波をトリガーして衝撃波を発生する装置を使用する場合は、術前に心房ペーシングを中止する必要があるかもしれない。

MRI

CIED患者がMRI検査を受ける際の、特異的な管理手法を詳細に検討した文献はほとんどない。複数の観測研究および症例報告では、特定の条件を満たす状況で、患者の状態が良好で、モニタリングを適切に行えば、問題となるような電磁妨害の発生を見ることなくMRI検査を行うことができるとされている。しかし、その他の文献では、一般的にペースメーカ患者にはMRIは禁忌であると報告されている。

MRIによる電磁妨害防止についての勧告

CIED患者にMRIは一般的には禁忌である。MRI検査を行う必要がある場合には、指示した医師、患者のペースメーカ担当医または循環器科担当医、放射線診断医およびCIED製造会社と相談する。

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