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VAPの新しい課題と論点~はじめに [critical care]

New Issues and Controversies in the Prevention of Ventilator-associated Pneumonia

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine 2010年10月1日号より

VAPは現在に至っても重症患者の病状悪化や死亡率上昇につながり、医療費を押し上げる大きな原因である。2001年から2005年のあいだに複数の学会がVAP予防ガイドラインを公表した。2006年には「10万人救命キャンペーン」がはじまり、米国の医療界において指導的立場にある政府関係機関および学会が旗振り役を務めた。このキャンペーンの中には、VAPおよび人工呼吸管理中のその他の有害事象の発生頻度を低下させることを目的としたVAP予防プログラムが盛り込まれた。2007年には欧州各国独自のVAPガイドラインが見直され、欧州全域共通のVAPガイドラインを制定しようという機運が生まれた。そして先頃、欧州VAP管理プログラムが公表された。2008年と2009年には、各学会が相次いで新しいガイドラインを発表した。

我々は2007年に2001年から2005年にかけて公表されたガイドラインを検討し、VAP予防策に関する問題点がいくつか顧みられていないことを明らかにした。この1-2年のあいだに、VAP予防策としての有望性を秘めた新しい手法が登場しているが、そのいずれもが現行のガイドラインでは言及されていない。VAP予防策となり得る新しい方法の例として、極薄カフ気管チューブの使用、低容量低圧カフ気管チューブの使用、カフ圧持続モニタリング装置の使用、バイオフィルムを除去する装置の使用および気管内吸引前の生食注入などが挙げられる。気管切開の実施時期について検討したガイドラインは数少ないため、気管切開実施時期の重要性について、何らかの確かな見解を導くのは困難である。さらに、熱湿度交換器(HME; 人工鼻)または加温加湿器(HHs)の使用や、抗菌仕様気管チューブの使用については各ガイドラインで見解が分かれている。以上で参考にしたのとは別のVAP予防法に関する最近の研究では、人工鼻、加温加湿器および抗菌仕様気管チューブは予防策として取り入れられていない。そこで、本レビューではVAP予防策に関する問題のうち、現在流通しているガイドラインで明確な推奨見解が示されていなかったり、賛否が分かれたりしている手法を中心に論ずることにする。本レビューで我々が示した推奨事項を決定する際に用いた判断基準は以下の通りである:無作為化比較対照試験(RCT)またはメタ分析で有用性が明らかにされており、有効性、危険性または費用の点において何らかの留保がない場合を「推奨」とする;RCTまたはメタ分析以外の研究で有用性が示されているか、有効性、危険性または費用の点においてわずかに懸念がある場合を「一考に値する」とする;有効性、危険性または費用の点において重大な懸念がある場合を「さらに研究を重ねる必要がある」とする。

教訓 極薄カフ気管チューブ、低容量低圧カフ気管チューブ、カフ圧持続モニタリング装置、バイオフィルム除去装置、気管内吸引前の生食注入、気管切開の実施時期、人工鼻、抗菌仕様気管チューブなど、現行のガイドラインでは触れられていないか、見解が分かれているVAP対策についてのレビューです。

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